【これだけはやめておけ】不採用の理由を聞く(その3)



不採用の理由を聞くのはやめておけ、今日でいったん最後です。

これまで2回にわけて、人事担当者が不採用の理由を決して答えない理由をご紹介してきました。

今日は、そのしめくくりに、私が「ぜっったい、不採用の理由は言わないぞ」と心に誓ったエピソード。




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まだ私が採用担当者になったばかりのペーペーのときの話。

面接後、不採用通知を送った応募者から電話があった。応募者は20代半ばの女性。

応募者:
「あのー、佐藤(仮名)といいます。今日、不採用通知を頂いたのですが・・」

私:
「あ、はい。先日はわざわざお運び頂きまして・・(なんだなんだ、結果連絡が遅いっていう文句か・・?)」

応募者:
「あの、私、きちんと私のことを理解して頂けていないと思うんです!」

私:
「は、はァ・・・。あの・・・、とおっしゃいますと・・?」

応募者:
「ちゃんと理解して頂けていない思うんです。きちんとご説明したいので、あの、だから、今から伺います!(ガチャ)」

私:
「は・・?あの、ちょっと、あ・・・(切れた・・)」


頭の中は「?????」。面接をしたのは私ではなかったが、とりあえずその応募者が来たら、私がなだめ役として投入されることになった。

小一時間ほどしたら、本当にやってきた。(゚□゚;)ホントニキタ!とりあえず、応接室に通して、話を聞く。別に興奮しているわけでもないし、見た目は普通の人。



彼女がせつせつと語ったのは、要約すると以下のようなこと。

・たった一時間弱の面接で自分の何がわかるのか
ちゃんとわかってもらえてないから、落ちたのだ。
・わかってもらえれば、落ちるはずがないと思う。
・ためしに、何がダメな理由だったのか言ってみて欲しい。


ひたすらその相手をしながら、私が思っていたのは、

・この人は、理由はどうあれ、自分が面接に落ちたことを受け入れられない
・NGだった理由をひとつでもあげれば、「それは違う。わかっていない。」と
 その理由そのものを否定するだけだ。

ということだった。だから、ひたすら、

「面接結果の理由は一概に説明できるものではありません」
「複数の面接官の合議の結果ですので、誰の判断というわけでもありません」
「ご縁がなかったとご理解ください・・」

と繰り返した。延々2時間。


さすがに、のれんに腕押しのこちらの対応に疲れたのか、2時間もすると、帰ります、といい始めたので、ようやくほっとしてエレベーターまで見送った。

そして見送りの最後の瞬間、エレベーターの扉が閉まる直前、彼女は「また来ます」と言って、去っていった。

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その時は、こういうアクシデントはひたすらウザいだけだったが、

今になった振り返ってみると、「自分が面接に落ちた」という事実をどうしても受け入れられなかった彼女のことを思うと、どうにもこうにもやりきれない気持ちになってくる。



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