【新卒・中途】面接で、血液型が聞きたくてしょうがない
世の中には、いろんな占いやタイプ論がありますが、今現在、日本で最も幅を利かせているのは、ずばりこれです。
血液型。
毎日、100回くらいは日本のどこかでこういう会話がなされているのではないかと推察されます。
「何型?」
「何型に見える?」
「うーん、O型かなー?」
「えー、O型っぽい?実はAB型なんだよねー。」
「うっそー!ABっぽくなーい!あ、でもそういうところもあるかもー!」
なんじゃい、「A型っぽい」とか、「B型っぽくない」とか。どうでもええやんけ。ちなみ私、A型です。いつもいつも、「っぽいね。」って言われます。褒め言葉じゃないのは分かってます。
でも、タイプ分けって楽しいです。確かに。
人には、誰かと知り合いになるときに、必ず知っておきたいポイントというものがあると思います。年齢だったり、出身地だったり、学歴だったり、どこに住んでるのかだったり、お酒を飲むのかだったり、既婚者なのかどうかだったり。
そして、「○○な人って、こうだよね」という前提のもとに話を進めて、その通りならそれはそれで安心できるし、その通りじゃなかったらそれはそれで興味深いし、まあ話も盛り上がります。
でもですね、たまにいるんですよね。テッテー的に血液型にこだわる人が。血液型フリークですよ。
私が採用担当をしていた頃、とある部署の一番エライ人が血液型フリークでした。男性なんですけどね。いい年の。その部署の人を採用するにあたっては、必ずこれが問題になるのです。
「血液型は何型なのか」
そ の部署が人手不足だから、中途採用しようということになり、若手リーダーなんかと一緒に面接をするんです。そのボスは、直接面接には登場しないのですが、 面接で、これはいい!という人がいて、若手リーダーがボスに、こういう人がいるからぜひ採用したいと思う、という話をすると、こう聞かれるらしいんです。
ボス: 「で、そいつの血液型は?」
若手: 「・・・。聞いていないです。」
ボス: 「聞いとけや。」
若手: 「・・・。はい、わかりました。聞いておきます。」
そして、若手リーダーが、私のところへ来て言うんです。
「ねえ、あの人の血液型、聞いておいてくんない?」
(ここから当時の私の心の声)
い、いま、何て言った・・?
あのね、こちとら、あの人を採用するにあたって、年収の交渉の妥協ラインはいくらくらいかな、
なんてことを、今せっせと考えてるんですよ。
それを言うに事欠いて、血液型聞いとけって言った?
なあ、血液型聞いとけって言った?
オイこら、ちょっと待て。
バッカじゃねーの!ねえ、バカなの?
っていうか、アホか?アホだろ!
(ここまで当時の私の心の声)
あ、いやいや興奮してはいかんなと。そして、私は説明しましたよ。ぐっとこらえて、きちんと論理的に説明しましたよ。
その1:血液型を聞いてどうするというのか。
A型だったらOK、B型だったらNG、O型だったらギリOK、みたいなラインがあるのか。ないよね?普通に考えたら、ないよね?知っておきたい、っていうレベルの話ですよね。それはね。
仮にこの人が、AB型であることがここで発覚したとしても、それで採用を取りやめるってわけじゃないよね?
そこまでは考えてない、ちょっとボスが知りたいって言ってるから、、っていうレベルの話なんだとしたらですね、今この段階で聞かなくてもいいんじゃないですか?入社して、さー頑張っていこうぜ!ってなった時に、歓迎会かなんかで聞いたらいいんじゃないですか?
AB型だったら採用やめるとか言ったら、ほんっっと、二度と採用しませんよ、お宅の部署。
その2:そもそもね、判断基準に関係ないことを聞いちゃだめなんですよ、面接って。
何を質問するにしても、「それで可否を判断している」とされてもおかしくないことしか、聞いちゃダメですよ。そりゃあね、面接の中の流れでね、「あ、お住まいこの辺ですか?」とかはね、それはいいと思いますよ。雑談の範囲ですからね。でも、もう面接は終わってますからね。彼はおうちに帰っちゃってますからね。雑談じゃないですよ。
しかも、血液型なんてね、本人には全く責任のないことですからね。A型になりたいってなってるわけじゃないし、変えようと思って変えられるものでもないでしょ。そういう本人に責任のないことで、判断基準に関係ないことなんて、聞いちゃだめなんですよ。ダメ!
その3:しかも、今から私がわざわざ、電話をかけて「ところであなた、血液型何型?」って聞くんですか?
あなたが応募者だったらどう思います?私だったらですね、確実に思いますよ。「あ、この会社やばいな」ってね。「やめとこうかな」ってね。変でしょ?どう考えても変でしょ?2ちゃんねるに書かれますよ。あの会社は血液型で採用決めてるって。危ない会社だって思われますよ。本当に。いやマジで。
といったことを、かなりの剣幕で語って、なんとかその応募者に電話をして血液型を聞くような羽目になるのは避けられました。
でも、それ以降、その部署の若手リーダーたちは、面接に同席したら、必ず最後に「いやー、うちの部署はO型が多いんですよね。ちなみに・・?」
とソフトに血液型を聞き出すテクニックを身に付けていました。
アホらしくてウソみたいだけど、本当の話です。
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